topimage

2017-06

純血腫の宿命 - 2013.08.25 Sun

純血腫の犬はすべて「犬種標準」を考慮しながらブリーディングされている。

ところがこの犬種標準という考え方が、時として犬に大きな負担をかけてる

場合がある。犬種標準とは、人間が勝手に犬に求めている理想の姿であり、

生物学的に相応しい犬の姿ではないからだ。

 

犬種標準とは、個々の犬の比較の基準となる犬種ごとの典型的な形態を

規定したものであり、原産国に於いて特定犬種のサイズや特徴を数値化、

明文化してその犬種の「規準」とすべく制定されたものである。

 

ところが、犬種標準に近づけようと交配させる過程において、遺伝的な疾患

を生じさせるケースがある。ブリーディングとは単に交配して子を増やすこと

ではなく、品種の向上を目指して改良していくことをいう。ブリーダーは優れた

資質をもつ犬を作り出すため、近親交配という方法を繰り返し用いるため、遺

伝的な疾患をもつ犬が生まれてしまうのだ。

 

ブリーディングには、インブリード、ラインブリード、アウトブリードがある。

それぞれの特徴を簡単にまとめると次のようになる。


インブリード

インブリードとは、極近親(親子、兄妹、姉弟)、近親(異母、異父兄妹、姉弟)

によるブリーディングである。2004年3月31日をもって、極近親による繁殖は

禁止、近親による繁殖は許可制となったが、個体数の僅少な犬種の保護と発展、

また、タイプの固定化の為の必要性が見直され、2005年10月より規制が変わ

り認められるようになった。


 

ラインブリード

同じ血統の中でインブリードよりも少し遠い祖父、祖母、親戚からによるブリーデ

ィング。血統、形を安定させるための交配であり、インブリードと同じ目的をもつ。

リスクはインブリードよりも少ない。

 

アウトブリード

血統が重なる事の無いブリーディング。この方法は、生まれてくる子の統一性が

難しくなるが、先天的な異常も受け継ぎにくいと言う良い点もある。インブリード、

ラインブリードで濃くなった血液を薄めるために使われる事が多い。

 

ちなみにJOYの場合は、アメリカンタイプの父親とヨーロッピアンタイプの母親な

ので、アウトブリードに該当する。

 

私は先日、5年前にイギリスBBCが製作した『犬たちの悲鳴 ~ブリーディングが引き

起こす遺伝病~』をみて大変な衝撃を受けた。ブリーディングのあり方、標準犬種と

いう考え方、さらには純血腫の宿命について深く考えさせられた。この番組は 日本で

は2009年にNHKで放送されてたものである。50分という長さだが、純血腫を飼ってい

る人は見る価値はあると思う。

 

 

 これをみて分かるように、純血種の多くは健康上の不安を抱えている。キャバリアが

脊髄空洞症という深刻な遺伝的な疾患を抱えている例が、冒頭に示されているが、

その原因が分かっているのに、なぜブリーダーはその事実に眼を背けるのだろうか。

また、どうしてケンネルクラブは、犬の健康よりもブリーダーの利益を尊重するのだ

ろうか。

 

近親交配が弱点を克服しよい形質を定着すると信じているブリーダーは少なくない。

しかしそこには大きな問題がある。近親交配は犬の免疫系に深刻な打撃を与えるため、

感染症への抵抗力が非常に弱くなる。そして最後には生殖不能になってしまう。

ブリーダーが近親交配を続ける限り、世界中で多くの犬が苦しむんことになるだろう。

 

イギリスのある大学が10の犬種を調べたところ、今日の犬には40年前の犬が持っていた

遺伝子のわずか10%しか受け継がれていないことが明らかになった。90%は既に失われ

てしまったのだ。これは遺伝子の多様性がなくなったことを意味している。

 

ドッグショーは表面的な華やかであるが、その裏では犬種標準とならない犬には過酷

な運命が待っていることを知った。ローデシアンリッジバックはリッジ(背中の逆毛)が

なければ標準犬種として認められない。リッジがない固体は安楽死させるというブリー

ダーの発言がこの番組で見られるが、犬を愛する人の発言とはとても思えない。また、

ローデシアンリッジバックの10%は類皮嚢腫という疾患を抱えている。リッジのない

ローデシアンリッバックがその病気になることはない。それでもブリーダーは、リッジの

ないリッジバックを認めようとはしていない。

 

次の動画は、この番組が放送された三年後に放映されたものである。先の番組は

大きな反響を呼んだが、それよって事態が改善されているかを検証している。

 

 

ダルメシアンは近親交配を繰り返した結果、尿酸値を下げる遺伝子が喪失してしまい

深刻な問題になっていたが、2011年にポインターの血を入れることによってこの事態

が改善したという。ただこの措置に対して、ブリーダーの中には、ポインターの純血を

乱すと反対する意見もあるという。

 

犬種を作り出したのは神ではなく人間だ。犬の健康を犠牲にしてまで、それを押し通す

のは人間のエゴである。ボクサーが若年性腎疾患が多発している原因が一頭の種犬が

原因だったということが分かった経緯も、この番組では紹介されている。しかしこの事実を

ブリーダーに伝えたところ、無視して繁殖が続けられたという。

 

近親交配係数を表すCOIという数値がある。親子の交配の場合25%となるが、現実では

45.7%という高い値の犬が繁殖に使われている。その原因は近親交配の累積にあるとい

う。特定の犬種では遺伝的な多様性が失われている現実がある。

 

ブリーダーにもいろいろあるだろう。利益を求めるあまり犬の健康など度外視する者もい

れば、この世から消えてしまいそうな犬種を私財を投げ打って守ったブリーダーもいると

聞く。悪徳なブリーダーは法律などで規制するべきだが、一つの犬種を守ることに生涯を

かけている良心的なブリーダーもいることも忘れてはならない。

 

        にほんブログ村 犬ブログ ドーベルマンへ  人気ブログランキングへ 

  ↑↑↑のバナーをクリックしてもらうと励みになります!

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://joylin.blog.fc2.com/tb.php/583-fb956906
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

親子で同じ症状 «  | BLOG TOP |  » 出会いと別れ

プロフィール

wonwon

Author:wonwon
2010年8月にドーベルマンJOYを家族に迎えました。JOYは一人娘のAYAにとってはまさに弟のような存在です。JOYと一緒に暮らすことで、家族みんなが楽しく豊かな生活を送ることができると信じています。ブログを通じて、一人でも多くの人と喜びを分かち合いたいと思います。

アクセスカウンター

オンラインカウンター

現在の閲覧者数:

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

日常 (182)
散歩 (161)
ドッグラン (95)
しつけ (54)
意見 (103)
犬のご飯 (42)
健康 (65)
知識 (50)
その他 (114)
イベント (13)
オフ会 (12)
事件 (5)
旅行 (21)
本 (14)
犬にまつわること (5)
AYA (129)
AYAが書いたブログ (7)
AYAの活動 (43)
AYAの学習 (12)
AYAの中学校生活 (5)
自転車 (1)
行動観察 (57)
未分類 (39)
人間の食事 (8)
妻のこと (12)
母のこと (7)
観察 (2)
手作り (1)
散歩会 (5)
医療費 (1)
ゴールデンウィーク (2)
犬用具 (1)
犬のグッツ (2)
面白い動画 (3)
AYAの言葉 (4)
心の景色 (28)
特別な日 (10)
モモとの生活 (7)
気付いたこと (3)
病気 (2)
別れ (4)
犬と一緒の食事 (1)
お酒 (4)
公園 (7)
AYAの思い (3)
犬種特性 (1)
洋服 (1)
ある日の休日 (0)
休日のある日 (2)
お友だち (5)
里親活動 (5)
ペットショップ (1)
桜 (3)
夢 (1)
歌 (2)
ペットロス (1)
季節のこと (1)
AYAのこと (5)
怪我 (1)
ニュース記事より (1)
タイヤ交換 (1)
他の犬のこと (0)
ホワイトボクサー (1)
保護活動 (1)
将棋のこと (3)
メッセージ (1)
遊び (1)
ドーベルマンについて (1)
たわいのないこと (3)
新年の目標 (1)
動画 (0)
インスタ体験 (1)

検索フォーム

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

フリーエリア