犬のブリーディングについて - 2012.03.11 Sun
生活圏を共有する人と犬は、長い年月をかけて親密な関係を築いてきた。
その過程で、人は自分たちが必要とする目的に沿って犬を改良してきた。
純血種の犬を作り出すことは、人間のエゴそのものだという見方もあるが、
人と犬との長い歴史を考えると、純血種は人類の文化遺産といえるだろう。
その一方、犬のブリーディングは、高い倫理観に基づいて行われなければ
ならない。純血種のブリーディングは専門的な知識を必要としており、その
目的はその犬種を健全に発展させることにある。もともと、ブリーディングと
いう言葉は「育種」(種を育てる)という意味である。とても地道な作業であり
その犬種に対する深い愛情なくしてはできないものである。
これまで人々の生活様式の変化などから、絶滅の危機に瀕する犬種を、
心ある人の努力で何とか救ったという話は、ブリーダーという仕事の本質
をよく表している。
日本では動物の販売に関する規制が緩やかなこともあり、ペットショップが
乱立している。人気犬種に的を絞って販売すれば、少ない投資でも多額の
利益が得られるという打算から、犬は投機の対象にもなっている。さらに
ネットで販売すれば店舗さえ持たなくてもよいため、ペット販売の増加に
拍車をかけているのが現状である。
犬の健康を無視したり、興味本位から無計画な繁殖をおこなうなどは
言語道断である。しかし、パピーミル(仔犬製造工場)と呼ばれるペットを
販売する悪徳業者がいるのは事実である。
私財を投じて絶滅の危機にある犬種を救うのも人であれば、犬を単なる
投資の対象とみなして一儲けしようと考えるのも人である。
かつて、ウルフワワはという犬種が存在していた。犬の中で最も体が大きい
アイリッシュ・ウルフハウンドと、逆に最も小さいロングコート・チワワを交配
させて作り出した犬種である。ところが、繁殖を続けていると、小柄なメスが
体の大きい仔犬を出産できずに死亡するという事件が起こった。いわゆる
先祖がえりとよばれる現象がおこったのである。
アイリッシュ・ウルフハウンド 体高♂81.3cm以上♀76.2cm以上 体重♂54.4kg♀47.6kg
ロングコート・チワワ 体高♂12cm前後♀12cm前後 体重♂0.5~2.7kg♀0.5~2.7kg
この例などは、興味本位で無計画に行われたブリーディングの好例といえ
よう。ブリーディングは一歩間違えれば、かつてナチスが行った優生学の
悪夢を思い起こさせる。
↑↑↑のバナーをクリックしてもらうと励みになります!
AUTHOR: グレースママ EMAIL: URL: http://ameblo.jp/gracefillmama/ IP: 121.108.36.198 DATE: 03/12/2012 23:46:57 酷い話ですよね。 何のためにそんなことをしたのでしょう。 以前友人が保護したゴールデンがあまりにおとなしいので調べたところ、心臓が異常に小さいことがわかりました。 血液や酸素が足りないので走ることができないのです。 後に、チワワとの掛け合わせであることが判明しました。 こんな悲劇しか生まないブリーディングを起こさないためにも愛犬の管理をきちんとしてほしいし、怪しい方は避妊去勢もやむをえないと考えています。 ブルドッグのように変わり過ぎて自力で出産できない犬種も居ますし、考えるとキリが無く闇に入っていくようです。 犬も猫も、もうこの地上に帰っていくべき住処がないのですから、すべての犬猫を住処をなくした私たち人間が幸せにする責任があるというのに。 犬も猫も幸せに暮らせる地球となりますように。
● COMMENT ●
トラックバック
http://joylin.blog.fc2.com/tb.php/318-97ffa21a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)